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2013年10月22日

水槽内のバクテリアの量

ここでは画像をアップするのが面倒なので、Reef-reef.jpに記事をあげました。よかったら参照してください。

2012年5月15日

ミドリイシはどんな波長によって、どんな色に発光するのか

Dana Riddle氏のCoral Coloration: Fluorescence: Part 1ってところに、調査したサンゴごとの励起する波長と発光する波長の表があります。そこから今回はミドリイシ(Acropora)だけ抽出してみました。
もちろん全種類を調査できるわけではないので一部だけになりますが、それでもどんな色に発光させたいなら、どんな色の波長を宛てればよいのかという指標にはなるかと思います。各波長のLEDとかを単体で揃えることができれば、どんな蛍光たんぱく質が含まれているのか分かりそうですね。10個ぐらい波長が違うLED素子が付いたスポットライトで、1個ずつON/OFFできれば理想なのかな。

同じような色に発光していていても、隆起させる波長が結構広いことが分かります。あと、UV-Bに近いUV-Aを利用しているものまでありますね。
PigmentColor.JPG


参考:Coral Coloration: Fluorescence: Part 1

注意:表を分かりやすくするために私が色を塗りました。波長(nm)からRGBへの変換は、下のツールを使いました。380nm以下は、RGB値がすべて0になってしまいます。
http://rohanhill.com/tools/WaveToRGB/

2012年5月 3日

UVは珊瑚に害なことが多い

珊瑚の色に関して研究などされているDana Riddle氏のUVに関する記事を紹介したいと思います。中々興味深い内容でした。
まず始めのほうは、自然光、メタハラなどのUVについてです。エイジさんところでも書かれていますが、かなりのUVがメタハラなどから出ています。UVカットガラスを使用していてもUV-A(320-400nm)で約80%、UV-B(280-320nm)も60%ほど透過してしまっているようです。結構な量ですよね。
このUV-AとUV-Bは、水槽内ではどのくらいの深さまで届くかと言う結果も載っていました。深度によって急激に吸収されるようです。水深30cmでも0ではありません。これも照明の強さなどによると思います。

ご存知のとおり、珊瑚にはMAA(マイコスポリン様アミノ酸)を保有しており、この物質が紫外線から珊瑚を守っています。MAAは紫外線だけを吸収します。このMAA密度は、水深と共に半比例すると書かれています。また、UV照射がすくない領域の珊瑚をUV照射が多い領域に移したところ、光障害が起こったり、成長速度が遅くなってそうです。しかしながら、UVの照射量に反応してMAAが増加する可能性も否定できないと書かれています。
自然界では、UVの照射量は日の出と共に多くなり、日の入りに近づくにつれて少なくなります。これは中々水槽では実現できない機能だと思いますが、最近のシステムLEDでは可能だとおもいます。
最後に、珊瑚の色とUVの関係が書かれています。UVが珊瑚の色をあげると信じられていますが、Riddle氏の記事を読む限りそうでもなさそうです。UVの量を増やしたところ、幾つかの珊瑚は緑が多くなったそうです。これは、緑の蛍光たんぱく質が励起したためだと思われます。しかしながら、多くの珊瑚(特にAcroporids, Pocilloporidsなど)は、長期間の実験ではUVがない(~1 µW UV-A; <1 µW UV-B)ほうがより綺麗にな色になったそうです
後、UVが多い環境で高水温や高PARになると珊瑚の死亡率が高くなるともありました。このあたりは水槽でも気をつけたほうがよいのでしょうね。

結論としては、あまりUVがないほうが珊瑚にとっては良いと捉えました。UV-Aは400nmも含んでいますので、使用されている方はそれなりに注意が必要なのかもしれません。

参考
http://www.aquarium-design.com/reef/uvlighting.html

2011年1月10日

褐虫藻のClade等々

皆さんご存知の褐虫藻(英名:zooxanthellae )、学名はSymbiodinium。褐虫藻にも色々種類がありCladeで分けられています。Clade Aから始まりClade B, C, D, E, F G, Hとあります。また、それぞれのCladeにSub Cladeがあるので、とんでも無い数に分けられます。
各Cladeによって共生する生体も違います。当然、各Cladeによって特徴が違います。ちょっと調べただけですが、高水温に対する耐性はClade CよりClade Dのほうが高いなどがあるようです(参照)。


褐虫藻が共生している珊瑚は、褐虫藻から栄養を得ているのでこいつが居なくなる(白化現象)と栄養が十分取れなくなり、死んでしまいます。この辺りのことはミドリイシなどを飼育している人なら誰でも知ってますよね(笑)。
今回興味があって調べたのは、珊瑚に共生する褐虫藻はその珊瑚につき1種類なのか、それとも数種類いるのか?また、生息深度と褐虫藻に相関関係があるのか?ということです。
Goulet氏は、Most corals may not change their symbiontの中で、珊瑚全体のたった23%しか数種類のCladeが共生していないと述べています。また、論文の中には数種類のCladeを持つ生体は環境によってCladeが変ったり、変化することがあると述べられていますが、それは標準的でないかも、と述べています。これに対して、1種類のCladeしか持っていない生体はCladeが変ったり、変化したりする現象は同様の実験では見られなかったと述べています。要するに環境変化における褐虫藻のClade変化はないと。
上記のことは褐虫藻を持つ珊瑚であり、SPS、LPSの区別はありません。飼育が難しいと言われているミドリイシなどはどうなんだろ?って調べたらGoulet氏と違う結果の論文が。。。Carlin氏とCrabbe氏のMultiple Symbiodinium clades in Acropora species sclerractinian corals from the Ningaloo ree, Australiaには、オーストラリアの82個体(4種、11箇所の違った場所から採取)では、78%数種類のCladeを持っていると言う最近の研究結果があると述べられています。うーん、混乱する。ただ、こちらは4種だけ、それに対してGoulet氏のは442種で、43の論文・実験結果を世界の海で行ったものです。その違いあるのかも。あと、Cladeの測定方法なども関係していそう。
話は戻して、このCarlin氏とCrabbe氏の論文は、111個体、7種のAcroporaについて調査しています。彼らの調査の結果、一番多くの生体が保有していたCladeはClade BとCだそうで、この両方が同時に共生していることが多いとあります。UVから保護するMAAsを生産するClade AはほとんどAcroporaからは見つからなかったようです。これはかなり意外でした。浅場の珊瑚などは普段からUVにさらされているのだから、もっとClade Aの共生率が高いと思いました。ただ、Clade Aは水温の変化には弱いらしいので、浅場には逆に向かないのかもしれません。因みに、この論文によるとClade B、C、D、Eは、MAAsを生産しないようです。じゃーどうやって浅場のミドリイシはUVなどから身を守ってるんだろ?また、同じ論文内に、Cladeの分布はAcroporaの大きさや生息深度などとは大きな相関関係は見られないと結論付けています。下の表がその結果の一部らしいですが、確かに水深1~7mにおいてCladeの偏りなどは見られません。但し、同種のAcroporaによって日が当たる当たらないでCladeのSub-Cladeが違うという結果もあるようです。

ZooxanAcropora.jpg


参考

  • Most corals may not change their symbiont

  • Multiple Symbiodinium clades in Acropora species sclerractinian corals from the Ningaloo ree, Australia

  • The distribution of mycosporine-like amino acids (MAAs) and the phylogenetic identity of symbiotic dinoflagellates in cnidarian hosts from the Mexican Caribbean

  • PROJECTS: RESISTANCE TO BLEACHING & CORAL SYMBIONTS

  • Feature Article: Lighting by Number: "Types" of Zooxanthellae and What They Tell Us

  • Patterns of coral-dinoflagellate associations in Acropora: significance of local availability and physiology of Symbiodinium strains and host-symbiont selectivity
  • 2011年1月 7日

    水温と珊瑚の成長速度

    高水温による珊瑚の白化の話はかなり耳にしますが、低水温による白化や温度と珊瑚の成長速度などはあまり耳にしない気がします。私は、魚の病気予防?などのため21度前後で珊瑚も魚も飼育しています。魚に関しては今のところ問題なさそうですが、珊瑚に関しては少し疑問を感じてきました。暖かい方が細胞や褐虫藻の活動が活発になって、成長速度が速いのではないかと。浅場の珊瑚の方が、深場の珊瑚より成長早そうですし。光を受ける量がちがうのもあると思いますが、水温も関係あるのではないかと。まあ、調べる動機は沢山あったので、ちょっと調べてみました(笑)。

    私は、低水温による珊瑚の白化について。低水温より高水温のほうが珊瑚の白化を招くと考えていましたが、どうやらそうでもないようです。Effects of temperature on the mortality and growth of Hawaiian reef coralsの概要を読むと、「水温18度では、珊瑚は1~2週間しか生きることができない。低水温がおこった始めは、それに対する耐性は高いが、最終的には高水温より低水温の方が有害である。更に実験の結果は、同じ値の水温を上げたり下げたりするなら、下げる方が珊瑚にとってより有害であるってことを示している。」とあります。実験で観察されたのは、この3種:Pocillopora damicornis, Montipora verrucosa, Fungia scutariaです。因みに、ハワイの水温の平均の下限は21-22度だそうです。また、26度で一番成長速度が速かったようです。後、30度以上の水温が数日続くとまずいようで、32度以上だと数日で☆になり始めるようです。この辺は皆さん知っている事実かと思います。
    違う論文、Responses Of Stylophora pistillata and Millepora dichotoma to Seawater Temperature Elevatioには種類は違いますが、水温26度以上で珊瑚の石灰化の速度が落ちるとあります。
    安全なところをとって24-25度あたりが良さそうですね(ってか大半がこの温度で飼育されていると思いますが。。。)。ってな訳で、21度前後で飼育している私は改善のよちありですね(苦笑)。

    超低栄養塩環境の場合、珊瑚のポリプから栄養を補給しないといけなと考えます。もし、ポリプを出さなくなったら。。。もしかしたら、うちの場合低水温が原因でポリプが出なくなり、栄養補給ができなくなって白化しているのかも。
    ちょっとずれますが、ZEOvitなどのULNS(Ultra-low Nutrition System)で珊瑚がポリプを出さなくなった場合の対処方法とか知りたいところです(ポリプ以外から栄養を吸収できるのならその方法も知りたい)。
    最後は本題からそれちゃいましたね(苦笑)。

    2011年1月 6日

    照明時間・色と褐虫藻の関係

    かなり昔にメモっていたことを記事として残しておきます。参考にした記事の前半部分は、光の強度(PAR)と時間から導き出されるDLI(Day Light Integral)について述べられています。DLIが重要要素の理由は、数学的に1日にある面積に対する放射があるか確認できることです。アクアリストなら、自然界の珊瑚が1日にどのくらいのPARをどのくらいの時間受けているか知りたいところでしょう。一般の照明設備では、自然のように徐々に明るくなり、徐々に暗くなることを実現させるのは結構難しいと思います(ある程度は可能ですが)。DLIを計算することにより、1日のDLIを自然の珊瑚礁に近づけることは不可能ではないかもしれません。
    計算方法は、リンク先を参照して下さい。

    次に光と照明時間によって褐虫藻の動きについてです。下の絵は、12時間光を当て12時間真っ暗にしたときの褐虫藻の様子です。

    Zooxan_Phase.jpg

    G1 Phase: 新しく細胞分裂した褐虫藻が成長するフェーズ。タンパク質の合成も非常に高い。褐虫藻のphoto-efficiencyも一番高い。
    S Phase: 合成フェーズ。細胞分裂のために、染色体が複製される。
    G2 Phase: 細胞分裂するかどうか決定されるフェーズ。
    M Phase: 細胞分裂が行われるフェーズ。

    下の表がそれぞれ赤、青、Mix、近赤外線のLEDをつかった実験結果です。光の波長が長くなるほど、褐虫藻の細胞分裂を抑制していることが分かります。
    ZooPhase_Blue.jpg
    ZooPhase_Red.jpg
    ZooPhase_Mix.jpg
    ZooPhase_Infra.jpg


    次に連続で照明を当て続けたときです。17時間後ぐらいから染色体の分裂に異常(染色体が3本以上になっている)がきたしています。光を当てれば良いって訳じゃないのです。RCで見かけたスレッドでは、SPSへの照明時間を減らしたら成長が加速した、ってなのがありました。生体の様子を見ながら照明時間も調整しないといけないのだなあと感じました。

    ZooPhase_Conti.jpg


    参考
    Feature Article: A Different Look at Lighting: Effects of Prolonged Photoperiod, Spectral Quality, and Light Dosage