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2012年8月28日

LED照明はきっちり冷却しよう

色んな方がLED照明を冷却することで、照度がアップすることは照明済みです。ちょっと時間があったので自分でも実験してみました。
使用した機材は、Cree社のLEDが18個で冷却ファンなしのものです。あえて機材名は隠しておきますね。
冷却ファンがないのでそれなりに筐体が熱くなります。温度は56度ぐらいです。どの位熱いかと言うと、ずっと触れないぐらいです。これを扇風機で冷やすと直ぐに41度ぐらいまで冷やせます。

熱くなると下のように56度ぐらいになります。
Temp_Before.jpg
そのときのPAR値は434です。
PAR_before.jpg

これを扇風機で冷やすと41度ぐらいになります。
Temp_After.jpg
PAR値は、462に上昇!約6%改善。
PAR_After.jpg

少し冷やしてやるだけで大きくPAR値が改善します。システムライトの冷却機能がよくない製品は、照度が犠牲になることでしょう。今回実験したシステムライトは6%の差でしたが、筐体の構造などが悪いともっと差が出る可能性は大です。
今回はシステムLEDライトを試験したので、スポットは実際に試験しないとわかりません。

LEDの照度落ちのもう1つの主原因は、レンズの劣化です。シリコン樹脂が良いのですが、高価です。では、シリコン樹脂ではなくエポキシなら駄目なのかというとそうではないです。ちゃんと冷却されていればレンズの劣化は避けられ、照度の低下も防ぐことができます。これは波長が短い400nmなどでも同じです。

Silicone.JPG

Epox.JPG

その他にも色々と照度低下の原因はありますので、下の資料を参考にして下さい。LEDの寿命は、ジャンクション温度などが関わってきます。これも冷却がきちんと行われていれば寿命を長く出来ますし、できていなければ寿命は短くなります。そういった意味でLEDライトの冷却装置は非常に重要なんだと思います。


参考:
http://www.led.or.jp/publication/docs/reliable/daiichibu_kisohen.pdf

2012年8月21日

蛍光タンパク質の励起と発光の関係

ちょっぴり面白いプレゼンを見つけました。
http://probes.invitrogen.com/resources/education/tutorials/2Spectra/player.html
このプレゼンは、蛍光タンパク質の基礎的なことを説明しています。励起(Excitation)と発光(Emission)の説明が主です。その中でもスライド7と8が非常に分かりやすくてよいです。

下の画像がスライド7です。青線が励起(Excitation)で、赤線が発光(Emission)です。青A点の波長(540nm近辺)の光をあてたときに、赤A点のグラフのように発光(620nm近辺の色に発光)が最大になります。
最大励起波長から少し離れた青B点の波長(500nm)の波長を当てると、発光の度合いは青A点の波長に比べると低いですが、それでも同じように発光(620nm近辺の色に発光)します。最大限に発光するのは青A点ですが、少しぐらい波長が外れていてもきっちり発光はしてくれるのです。

EmissionExcitation.JPG

この「ずれ」がどこまで許容できるかは、それぞれの蛍光タンパク質によると思います。少しずれただけで、発光効率が大きく下がるものもあれば、少々ずれていても同じぐらい発光するものもあります。
サンゴによって蛍光タンパク質の性質が異なるので、どの光をあてて良いか結構難しいですね。そう考えるとSCやシエロなどのスポット型照明を必要な珊瑚に当てるスタイルは非常に理に適っているのだと思います。Kessilがフルスペという事を考えるとこれを多灯するのが一番のベストかもな~。


2012年8月17日

調子が戻ってきたので少しサンゴを追加

7月初めに多くのミドリイシが死んでしまったので、少し自重していましたが、調子が戻ってきた感じがしましたのでリビングの水槽に少しサンゴを追加しました。
中々僕好みのサンゴの色で気に入っています。一番したのはストロベリーショートケーキのフラグです。小指の大きさぐらいですかね。これで$50します。高いと思われるかも知れませんが、これが欧州でのビジネスモデルです。これが自分の水景にあったように成長するのを楽しむのが欧州スタイルです。上の2個体のようなワイルド物をポンとおいても、あまり評価されないのが一般的です。なので激美水槽を見ても常に「設置してから期間はどれくらいたってる?」と聞かれます。私の水槽も1〜2年後に評価されるように頑張りたいと思います。

Aussie_Blueberry.jpg

Aussie_LightBlue.jpg

記憶が確かならば、アメリカでは下のような個体がストロベリーショートケーキとして販売されていました。いつの間にかその名称が結構違うものに使われるようになりました。
Strawberry_frag.jpg

2012年8月 9日

蛍光タンパク質-KAEDE- 緑はUVで赤になる

蛍光タンパク質の1つであるKaedeは非常に面白い性質をもっているようです。普通は特定の波長の光を当てると特定の色で発光するのですが、このKaedeはUV(350-400 nm)の光をあてることにより、緑から赤色に発光色が変化するようです。この領域のUVを出している照明は今のところメタハラぐらいですかね。特にLEDにいえることだと思いますが、全波長をカバーしながら光量も同時に確保するのは非常に難しいですね。まあ、難しいと言うかコスト面できついですね。とは言っても青と白のLEDだけで綺麗にSPSなどを飼育されている方もいますから、不思議です。
ちなみにこの蛍光タンパク質がはじめに見つかったのは、ヒユサンゴだそうです。蛍光タンパク質の実験をしているときに、偶然に日光が当たる窓際に置いていたら緑から赤に変化したのがきっかけとか。

Kaedeの励起・発光特性は以下のとおりです。蛍光緑から蛍光赤に変化すると600nmに近いところが最大励起波長になりますね。赤(正確には黄色~橙色)の光をあてないと、赤く(正確には黄色~橙色)発光しないというところでしょうか。光の吸収領域も400nm以下にも第二ピークがあります。
graph_1.jpg

Kaedeのようにある蛍光色から違う蛍光色に変化することをPhotoconversionと言うそうです。Kaede以外にもこういった特性をもった蛍光タンパク質はあるようです。
Photoconversion以外にもPhotoactivation、Photoswitching、Fluorencent timerなども存在するようです。
Photoactivationは、蛍光タンパク質があまり発光していない状態に特定の光をあてることで、蛍光色が増すことを言います。
Photoswitchingは、特定の波長をあてることで蛍光色が増したり、減ったりすること。
Fluorencent timerは、時間を置くことで勝手に蛍光色が変化することを言うようです。
こういったところからもサンゴの色維持などが難しいのかなと思います。ヒユサンゴの緑を維持したいのに、UVを当てたがために赤になったりと。緑を赤にしたいのなら非常に嬉しいことなんですけどね。
Highlighter-Proteins-Figure-1_874114b01e.gif


参考
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2002/020924/index.html
http://www.amalgaam.co.jp/products/coral_hue/Photoconvertible/kaede.html
http://www.leica-microsystems.com/science-lab/highlighter-proteins-and-fluorescent-timers/

2012年8月 7日

香港のアンドリューさんのKR93SP水槽

もう日本でも有名になった香港のKR93SP水槽ですが、実際どんな感じなのか書きます。飽くまでRCに書かれたスレッドを元にした情報です。

この方の水槽はもともとT5(ATI T5 Power module 8x80W)を使用していました。水槽サイズが166 cm x 66cm x 56 cmの水量約550㍑です。どのような経緯でKR93SPに移行したのかは知りませんが、特にT5に不満があったわけでは無さそうです。使用している器具をみても分かりますが、最新器具が大好きな方のようです。
水槽システムはZEOvitを使用されています。非常に綺麗にマトメられています。写真はここを参照してくださいね。

当初は1台だけKR93SPを設置していたようですが、水槽奥行きが56cmあるため1つでは水槽全体に光が十分にいかないことから、追加で一台設置したようです。灯具の中央部分は十分な光量があるようですが、少し外れると光量が結構落ちるため2台必要と結論づけたようです。はじめの1台を設置してから、数週間してから2台めを注文し、そのユニットがくるまでT5に戻していたようです。なので、2台設置してからまだそれほど日にちは立っていないようです。

下の写真は、このユーザーが自分の水槽でのPAR値を測定したものです。KR93SPのすべてのチャンネルを100%にした時の値だそうで、実際の運用は100%ではないようです。最適な値を今後探していくようです。

PARReadings.jpg
強い光が必要なSPSでも十分なPAR値だと思います。(PAR値が800ぐらいあれば強照明が必要なサンゴも飼育できます)
サンゴの色ですが、スレッドを見る限り今のところ変化は無さそうです。照明を変えたことによる悪い影響もないと書かれています。
それにしても水槽システムを含めて綺麗な水槽です。

2012年8月 1日

メインポンプの選択の仕方

この趣味始めてから基本すべてネットの情報だけを頼りに水槽設置とかしてきました。なので基本中の基本とか知らないことがいっぱいです。(笑)まあ、それでもそれなりに飼育できています。
今回揚水ポンプをマグネットポンプから、RedDragonなどの消費電力が小さいポンプに変更しようかと考えています。以前に書いたRD3 Speedyが第一候補なのですが、これで本当に大丈夫なのか非常に心配です。

RD3 Speedyの最大揚程量は、4.5mです。これは垂直方向への値です。でも、実際の配管は水槽用クーラーやエルボーやら色々と障害があります。なので、自分の水槽にあったポンプを選択するのは結構難しいと思います。ショップやベテランアクアリストなら経験があるので間隔でわかるのかも知れませんが、私のような者には到底ムリです。何かしらの指標がないと。

そんな時に随分前に購入したTony Vargas氏著のThe Coral Reef Aquariumが役に立ちました。この本の42頁に揚程ポンプの選択方法が簡単に書かれています。下が掲載されていた図ですね。
ReturnPumpDiagram.JPG

ルールは以下のとおり
1.エルボー1つに付、1.5〜3ft追加
2.配管が小さくなる所は5ft追加
3.排水部分が水中にある場合は、1ftごとに1〜1.5ft追加

このルールにあてはめて上の図を紐解くと
1.ポンプの吸い込み口からメイン水槽水面まで5ft
2.90度エルボー2つで1.5ft x2=3ft
3.サイズが小さくなる90度エルボー1つで5ft
4.メイン水槽への排出口が1ft水面下なので1ft
これをすべて足すと合計14ftの揚程量が必要となります。
この水槽の総水量が100Galで、サンプとメインの回転数を1時間10回転を予定しているなら、14ftの高さで1000Gal/Hrの揚程量があるポンプを選択しなければいけません。

それではうちの水槽にあてはめてみます。総水量と回転数は上の例とほぼ同じなので1000Gal/Hrとします。キーは揚程量ですね。
エルボーx4→6ft
高さ=5ft
合計11ftですね。メートルに変換すると3.3mってところです。

red-dragon-3-speedy-2.jpg

上がRD3 Speedyのスペックです。3.3m近辺は2380L/Hの流量が確保できるようです。これをGalに変換すると約600Gal/Hrですね。これだと1000Gal/Hrを満たしません!
実際の配管は水槽用クーラーもありますし、メイン水槽から横に離れた所にサンプがあるので、もっとプレッシャーがかかる事が考えられます。そうなるとRD3 Speedyでは役不足になる可能性が大です。

一つの案は、水槽用クーラー専用のポンプを設置して、メインのラインからクーラーを外すことですかね。本末転倒のような気もしますが。。。
ポンプの選択は難しいですね。